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裁判所005.jpg後遺障害の労働能力喪失と逸失利益

所得が減るか減らないかが問題

得べかりし利益の喪失による損害は、基本的には事故時を基準として、事故前の所得と事故後の所得にどれだけの較差があるかと言う事です。

その較差があればそれが逸失利益であり、較差がなければ、たとえ労働能力事態の懐失喪失・減退があっても逸失利益は出ないと言う事になります。

これにつき最高裁判所は次のとおり判示しています。

「交通事故による後遺障害のため、労働能力の喪失・減退をきたしたことを理由に、将来得べかりし利益喪失による損害を算定するにあたって、労働能力喪失率が有力な資料となることは否定できない。しかし損害賠償制度は、被害者に生じた現実の損害を塡補することを目的とするものであるから、労働能力の喪失・減退にもかかわらず損害が発生しなかった場合には、それを理由として損害賠償の請求ができないことは言うまでもない。」

したがって、障害があっても従来のとおりそのまま継続して就業し、収入の減少がないような場合には、逸失利益は認められないことになります。ただ現実に減収が無いと言っても将来の上昇に影響するとか、あるいは物価の上昇により実質的な減少の予測ができるなど、将来に関係してくるような場合には、現実の差額だけで減少の予測ができるなど、将来に関係してくるような場合には、現実の差額で減収が無いと即断することはできず、将来も含めて労働能力に影響を及ぼす性質の後遺障害があれば、労働能力の低下が経済的に現実化していなくても、ある程度の逸失利益を考えざるを得ないし、また障害にもかかわらず本人の努力により稼働を全うしているような場合には、慰謝料算定にあたって十分考慮されるべきものであります。

 

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喪失率は画一的に適用できない

≪事例≫

高校生A君はバイクを運転中に相手車との交差点での出会いがしら事故に遭い、大腿部切断の重症をおい、その結果後遺障害第4級に該当するとして、労働能力喪失率92%の逸失利益と慰謝料を請求したもの。

しかしながら加害者側は、労働能力割合は50%として争ったものです。


逸失利益が具体的な資料によって、事故前と事故後の比較ができる場合は比較的容易に逸失利益が算定できますが、本事例のように高校生の場合には、そもそも収入を比較することができず、なかなか容易ではありません。

このような場合に労働能力喪失率が一般的に用いられていることはご承知のとおりです。

しかしこの喪失率は、身体的障害と労働能力喪失の関係を科学的に調査して作られているものではありません。

後遺障害が労働能力に影響を及ぼさない性質のものもあり、例えば外貌の醜状、歯科補綴などその喪失率が実情とあわないものがあることからもわかります。

この喪失率表と言うものは、労働基準法に基づく労働者に対する業務上災害の障害補償についての障害と補償額との関係を流用して作成されたものであり、画一的な行政基準にすぎないものなのです。

従ってどのような場合にも、この喪失率をそのまま適用することは問題です。

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職業により大きな差が

それでは、この事例のように後遺障害により減収が予測できるが、その程度が具体的に算定できない場合、労働能力低下による損害をどのように考えればよいのでしょうか。

高校生のような場合には、将来どのような仕事に就くのか、本人の志望も固まっておらず決定されていないのが実情です。はたして片足を失ったことによりどれだけの減収になるのか、職種によっては収入に影響しない場合もあるし、また逆に就労不能の職種もあるわけです。

被害者としては、自己の進路が閉ざされ、就職の範囲が大幅に限定、制約されたことを主張するのも当然であり、92%の主張も被害者の感情から考えてもあながち非難することのできないところです。

と言っても、右の92%と言う喪失率が前述のようにどこまで科学的根拠のあるものなのかが疑問であり、それをそのまま用いることには問題があります。加害者としても、片足がなくても、職種によっては収入に影響がないものもあるし、充分に収入を得ている人も多くみられるとし、92%の収入減少の補償を一生涯しなければならないことに実情に合わないと言う気持ちを抱くのも当然の事と言えます。

 

きめ細かい工夫でかなりの説得性

 

同種の事例では、40%としたもの、50%としたものが比較的多く見受けられ、90%から33%としたものまでさまざまな算定が見られますが、いずれも明白な根拠を乱すことはできません。障害によって被った減少額を将来に亘って予測確定することが非常に困難であることのあらわれでしょう。

そもそも、未就労働の幼児、高校生、学生の逸失利益というものは、本来実態的な根拠をっもって確定しえないものであり、ある程度は被害者と加害者の双方が、どの程度の賠償額であれば納得して賠償を受け、支払いをなすがと言う、説得の論理で解決してゆく外はないと思われます。

その意味で、いろいろと裁判例のある中で、本事案の場合に、後遺障害による労働能力低下を原因とする被害者の収入減を、被害者において義肢に順応することや、適当な職業を選ぶことによってある程度回復すると考えられるとして、後遺障害が固定した時から20歳になるまでの2年間は、賃金センサス高卒18歳から20歳までの平均年収の80%、その後5年間は21歳から25歳までの年収の60%、その後67歳に達するまでの42年間は高卒平均賃金の45%を喪失とみた判例は段階的に喪失率を工夫し、実感情にも合致しており、かなりの説得性を持ったものと思われます。

また、それとは別に慰謝料にて斟酌もするべきと考えます。

 

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