弁護士特約相談の相談 Q&A弁護士特約の相談 Q&A

≪弁護士さんからのご相談問い合わせ≫

記名被保険者が被保険自動車を友人に貸したところ、友人が交差点で双方過失ありの事故を起こした。

弁護士に委任して被保険自動車の修理代を相手方(賠償義務者)に請求する場合、弁護士費用は自動車事故弁護士費用等補償特約で補償されるか。

相談の回答

補償されない

【相談の解説】

自動車事故弁護士費用等補償特約に規定されている被保険者は、請求原因によって被保険者になる者ではなく※ 1

同特約(被保険者の範囲)に規定されている者を意味するため、友人は被保険者となる。

過失事故を起こした友人は被保険自動車の所有者である記名被保険者に対して賠償義務を負うため※2

自動車事故弁護士費用等補償特約は免責となる

(被保険者ではない相手方にのみ損害賠償請求する場合であっても免責)。

※ 1

請求原因によって被保険者になる者とすると、以下のような場合に記名被保険者を訴えるための弁護士費用が有責になってしまう。

自らを相手方として訴えさせるための費用の支払を求めて保険に加入することは考えにくいため、請求原因によって被保険者になる者との見解は採用できない。

例:記名被保険者が運転している最中に自らの過失で事故をおこし、本人のケガはないが、同乗していた友人が負傷をした。

同乗していた友人は自動車事故弁護士費用等補償特約の被保険者となるが、 友人の負傷という請求原因に関して記名被保険者は被保険者ではない。

ここで自動車事故弁護士費用等補償特約の免責条項を適用しないとすると、記名被保険者への損害賠償請求が可能になってしまう。

※ 2

賠償義務者に該当するか否かは、状況に応じて社会通念に従って個別に判断する。

例えば、通常は損害賠償請求を行わない家族間の場合にまで、一律に賠償義務者として免責にする必要はない。

相談

記名被保険者が歩行中にひき逃げの被害に遭つたが、加害者は離婚調停中の配偶者だった

(約1年前から別居しており、事故時点では夫婦関係は破綻していた)。

戸籍上の配偶者に損害賠償請求を行う場合の弁護士費用は、自動車事故弁護士費用等補償特約で補償されるか。

回答

補償されない。

【解説】

夫婦関係が破綻していたとしても、戸籍上の配偶者が賠償義務者であれば免責となる

(別居期間が十数年~数十年に及ぶ場合は別途検討)。

相談

①当社に対して無保険車特約を請求することができる被保険者が、加害者に対して損害賠償請求を行う場合の弁護士費用は、自動車事故弁護士費用等補償特約で補償されるか。

②当社が当事者間の訴訟に訴訟告知を受けて参加する場合や当事者間の訴訟に補助参加する場合はどうか。

回答

①補償される。

②補償される。

【解説】

①保険者(=当社)に対する損害賠償請求またはこれにかかる法律相談は免責となるが、加害者に対する損害賠償請求と無保険車特約の請求は異なるものであり、免責にならない。

②補助参加は「他人間の訴訟であること」が要件とされている。

約款の免責条項は当社を被告とする損害賠償請求訴訟を免責とするものであり、当社が補助参加人の地位にとどまるのであれば免責にならない。

相談

配偶者を助手席に乗せて記名被保険者が被保険自動車を運転していたところ、交差点で双方過失ありの事故を起こした。

記名被保険者の配偶者の人身損害について弁護士委任した以下の場合、弁護士費用は自動車事故弁護士費用等補償特約で補償されるか。

①被保険自動車の自賠責保険に被害者請求する場合の弁護士費用(手数料)

②相手方へ損害賠償請求する場合の弁護士費用(着手金0報酬金等)

回答

①補償されない。

②補償される。

【解説】

①被保険自動車の自賠責保険への被害者請求は記名被保険者が賠償義務者であることを前提とする請求であり、そのための弁護士費用(手数料)は免責となるため補償されない。

② 自動車事故弁護士費用等補償特約の賠償義務者に該当するか否かは、状況に応じて社会通念に従って個別に判断されるため、通常は損害賠償請求を行わない家族間の場合にまで、一律に賠償義務者として免責にする必要はない。

共同不法行為事案において自賠責超過分の損害賠償請求を家族間で行うことは通常想定されないため、(被保険自動車の自賠責保険に対する被害者請求を別途行ったとしても)相手方へ損害賠償請求する場合の弁護士費用は自動車事故弁護士費用等補償特約で補償される。

相談

契約者の借りている月極駐車場が地下3階にあり、構造上の欠陥が原因で被保険自動車の車内にカビが生えた。

駐車場の管理会社に対して損害賠償請求を行う場合の弁護士費用は、自動車事故弁護士費用等補償特約の対象になるか。

回答

対象になる。

【解説】

一般的にカビは自然発生的に生じるものであり、カビを理由とする財物の損壊は免責となる。

ただし、駐車場の構造上の欠陥や運営会社の瑕疵など、第二者の行為によりカビによる損害が生じた場合は免責にならない。

相談

被保険自動車を自宅マンションの立体駐車場に駐車していたところ、上のパレットに明らかな整備不良車両が駐車しており、当該整備不良車両から漏れ出たエンジンオイルが被保険自動車にかかってフロントグリルが劣化し要交換となった。

この場合、自動車事故弁護士費用等補償特約は液体の流出により生じた財物の損壊として免責になるか。

回答

免責にならない。

【解説】

自動車事故弁護士費用等補償特約は、約款文言の通り、環境汚染により生じた身体の障害または財物の損壊を免責とする趣旨であり、特定個人間の加害行為と評価できる液体の流出は「不測かつ突発的な事由」に該当する。

相談

弁護士に対して着手金30万円を支払後、判決により訴訟が終了したため経済的利益450万円×10%+18万円=63万円の報酬請求(LAC基準)を弁護士から受けた。

経済的利益450万円の中には弁護士費用として認容された45万円が含まれている。

この場合、

①弁護士費用45万円を含む経済的利益450万円に対して報酬金を計算するのか、450万円-45万円=405万円に対して報酬金を計算するのか。

②63万円が報酬金となる場合、63万円-45万円=18万円を弁護士に支払うのか、
63万円を弁護士に支払う場合は判決で確定した弁護士費用45万円をどのように扱うか。

回答

①450万円に対して報酬金を計算する。

②原則として63万円を弁護士に支払い、自動車事故弁護士費用等補償特約 により45万円の返還を被保険者に求める。

ただし、弁護士、被保険者双方の同意が得られた場合に限り、63万円-45万円=18万円を弁護士に支払うことも可とする(その場合、被保険者には返還を求めない)。

【解説】

①経済的利益450万円のうち45万円が弁護士報酬であるとの裁判所の判断はあくまで名目的なものである。

例えば、判決で100万円の弁護士費用が認められたとしても、60万円で報酬契約を結んでいる弁護士が40万円の増額を請求できる訳ではない。

②報酬金は依頼者(被保険者)と弁護士との委任契約によって定まるものであり、「判決で確定された弁護士費用等」があったとしても、委任契約によつって定まる報酬金が減額されることはない。したがつて、弁護士に支払う場合は原則として45万円を差し引かない。

同条へのあてはめは以下の通り。

弁護士費用が判決で確定された場合は自動車事故弁護士費用等補償特約の条文が適用されるため、イ人のあてはめは以下の通り。

ア:被保険者等がその訴訟について弁護士または司法書士に支払った費用の合計額=30万円十63万円=93万円

イ:判決で確定された弁護士費用等の額=45万円、当会社が支払った保険金の合計額=30万円+63万円=93万円

したがつて、イのうち「判決で確定された弁護士費用等の額=45万円」力`アの額を超過するため、45万円の返還を被保険者に求めることになる。

また、当社から弁護士への支払を18万円とし、(本目手方からの賠償金を1時預かっている)弁護士が被保険者に対して45万円を差し引いて精算とするためには、弁護士および被保険者双方の同意を得る必要がある

(LACでは、弁護士がそのような対応をすることは想定していない)。

約款文言は「判決で確定された」であり、裁判上の和解を含むとの解釈・運用は行わない。

和解においては弁護士費用が相当額という形で考慮されることが多く、金額が明確になった時のみ返還を求めるということになると、被保険者間の不公平が生じてしまう。

相談

過失割合10:90の被害事故で、被保険者は治療期間200日、実通院日数65日、後遺障害なく治療終了した。

対入社による医療機関への治療費支払は完了しており、各損害額基準に従って賠償額を積算すると以下のようになる。

(実際の事案では委任時と終了時の経済的利益は相違することが一般的だが、本設例では同じと仮定する)

以下の場合、LACの保険金支払基準では、着手金・報酬金をどのように計算することが想定されているか。

①治療が終了したところで(対人社からの賠償額提示前に)弁護士委任し、Ⅲで和解した場合

②対人社からIを上回るⅡの提示を受けた後に弁護士委任し、Ⅲで和解した場合

③対人社が後遺障害の事前認定を行ったが非該当だったため、弁護士が医療調査等を行った上で異議申立を行い(結果は非該当)、Ⅲで和解した場合

回答

①経済的利益は1,552,500円-300,000円=1,252,500円のため、

着手金:1,252,500円×8%=100,200円

報酬金:1,252,500円×16%=200,400円

手数料:自賠責部分300,000円について、_30,000円

②経済的利益は1,552,500円-607,500円=945,000円のため、

着手金:100,000円

報酬金:945,000円×16%=151,200円

手数料:自賠責部分300,000円について、30,000円

③後遺障害の認定が合理的に推認される場合、想定される後遺障害等級での損害額を算出して行う着手金の計算において、後遺障害の保険金額を経済的利益に含めて着手金を計算する。(異議申立のみを委任する場合を除き)手数料を支払う必要はない。

後遺障害の認定を合理的に推認することが難しい場合は「結果に応じて着手金を追加払いする」との対応もあり得るが、異議申立に関連しない傷害部分は手数料計算の対象となり、経済的利益には含まれない。

【解説】

①弁護士委任の有無にかかわらず依頼者(被保険者)が得たであろう金額は経済的利益に含まれないため、過失相殺後の被保険者の損害額から、既払い額および自賠責部分を控除したものが経済的利益となる。

ただし、既払い額が自賠責部分を含んでいる場合、重複して控除しないよう注意が必要。

例:本事例において2,452,500円から900,000円と1,200,000円の双方を控除すると、経済的利益を過少評価してしまう。

既払い額900,000円が自賠責部分であれば、さらに控除するのは300,000円となる。

②対人社から提示があつた後の委任であれば、対人社の提示額と和解額の差額を経済的利益とすることが妥当であり、 委任後に対入社から提示があつたのであれば①の計算になる。

ただし、示談交渉の内容によっては、弁護士委任の時フ点で対入社の提示が自賠責基準に戻るケースもあり得るため、個別事案によっては① と同じ計算結果になる

(物損事案では、一旦自損自弁になったと看倣して経済的利益の算定を行うことが一般的)。

③弁護士保険制度における保険金支払いに関するQ&A第2⑫の解説における「事案簡明な自賠責請求」とは資料を提出すれば認められるようなケースを想定しており、後遺障害等級の異議申立や立証が複雑な場合、「存否またはその額に争いがあった場合」に該当するの

なお、上記Q&Aでは「存否またはその額に争いがあった場合には、全体を経済的利益と考えて差し支えありません」となっているが、後遺障害等級の異議申立を行つたとしても、争いが生じていない被保険自動車(所有者は記名被保険者)を運転中に被追突の事故に遭った記名被保険者は、弁護士委任して加害者との示談交渉および調停・訴訟を提起する意向を有している

以下の場合、自動車事故弁護士費用等補償特約で弁護士費用等は補償されるか。

①記名被保険者自身が弁護士であり、自ら示談交渉および調停・訴訟を提起する場合

②記名被保険者の配偶者が弁護士であり、配偶者が代理人弁護士として示談交渉および調停・訴訟を提起する場合

①補償されない。

②補償される。

①弁護士である自らが行った活動についての対価(着手金・報酬金またはタイムチャージ)は、被保険者が弁護士委任したことによって生ずる対価を補償する自動車事故弁護キ費用等補償特約では補償されない。

②記名被保険者と弁護士が同一人でない限り「委任」は成立するため、
夫婦間であることを理由に自動車事故弁護士費用等補償特約の対象外とすることはできない。

示談交渉における通訳及び書面・資料等の翻訳費用、裁判手続における通訳及び訴状等の書画の翻訳費用は自動車事故弁護士費用等補償特約の支払対象になるか。

支払対象になる。

費用の妥当性については個別の検討が必要となるが、通訳・翻訳費用は「その他権利の保全もしくは行使に必要な手続をするために要した費用」に含まれる。