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通勤災害(労災)をめぐる問題
労災からは慰謝料は払われない

逸失利益を考える

バイクで通勤途中のAさん。交差点にさしかかったところ、赤信号を見落とし交差点侵入の加害者Bさんの乗用車と衝突。Aさんは頭部を強く打って死亡。

ご家族は奥様と小学校のお子様2人。加害者側の保険会社からは慰謝料は支払いがあるものの、逸失利益利益はどうなるか。

労災保険より遺族年金としてある程度は支払いがあるものの、Aさんの収入を換算し、労災が決める平均賃金の割合にて支払われることになる。

加害者側の保険会社は、当然逸失利益よりその遺族年金との差額を支払うとしている。

この妻子が相手側に対し民事賠償を請求した時、この将来支給される年金はどのうように取り扱われるのでしょうか。

 

考え方

①妻子がこの逸失利益の支払いを求めて相手側に損害賠償請求をしたときは、妻子が将来受領するであろう年金を現価に換算しなおして、これを逸失利益から控除し差額の賠償を求めるのが、支払い側である保険会社としては妥当とするとして採りたい考えでしょう。

②これに対し、労働者の保護を考える立場に立つ者は、労災補償は労働者の保護を目的とするものであり、損害賠償とは性質を異にするので将来の年金は賠償の中から控除すべきでないと主張することになります。

③また 年金の内、受領済みの分については賠償金の既払いに充当してもよいが、将来の支給予定の年金は民事賠償に充当する事はできないと言う考えもあります。

従来はこれらの考え方がいろいろと主張されてきましたが、最高裁判所はこの問題について最終的判断を示しました。

この判決の後はこの判決に従って処理されることになりました。

最高裁判所の判断

労働者災害補償保険法に基づく保険給付の実質は、使用者の労働基準法の災害補償義務を政府が保険給付の形式で行うものであって、厚生年金保険法に基づく保険給付えお同様に受給権者に対する損害の填補の性質をも有するから、事故が使用者の行為によって生じた場合において受給権者に対し、政府が労働者災害保険法に基づく保険給付をしたときは、労働基準法の規定を類推適用し、また政府が厚生年金保険法に基づく保険給付をしたときは衡平の理念に照らし、使用者は同一の事由については、その価額の限度において、民法による損害賠償の責を免れると解するのが相当である。そして上記のように政府が保険給付をしたことによって、受給権者の使用者に対する損害賠償請求権が失われるのは、上記保険給付が損害の填補の性質をも有する以上、政府が現実に保険金を給付して損害を填補したときに限られ、いまだ現実の給付がない以上、たとえ将来にわたり継続して給付されていることが確定していても、受給権者は使用者に対し損害賠償の請求をするにあたり、このような将来の給付額を損害賠償債権額から控除することを要しないと解するのが妥当である。

 

最高裁判所判決の問題点

この判決は結局、年金は判決時点で現実に支払い済になっているのもについては控除することを要するが、その時点で支給されていない将来のものは控除する必要はないと言う考え方であり、使用者側としてその負担を少しでも軽減しようと思えば、訴訟をできる限り引き伸ばし、年金ができるだけたくさん支給済になったほうが良いことになります。

また使用者としては保険料を支払っておりながら、将来の年金分については保険料を支払った効果が生じないことになります。

一方受給する側では年金は年金をして将来受領する権利を確保しながら使用者から賠償金を受領できることになり、この限りにおいては二重給付を受けることになります。

 

 

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