被害者救済請負人

交通事故に慰謝料について相談したい方、弁護士を通さずに高額請求できる方法を教えます

MENU
お問い合わせ | ご相談
TOP > 交通事故コラム 争点 > 車両盗難の事案担当者は即支払うか、戦うか偽装は損保が立証すべきもの
記事のタイトル背景画像

車両盗難の事案
担当者は即支払うか、戦うか

偽装は損保が立証すべきもの

主張立証責任は被保険者?保険会社?

車両盗難事故について、車両保険金の請求をする者は、「被保険者以外のものが被保険者の占有に係る被保険自動車をその所在場所から持ち去ったこと」と言う外形的な事実を主張、立証すれば足り、被保険自動車の持ち去りが被保険者の意思に基づかないものであることを主張立証すべき責任まで負わないものとされているとの裁判所の見解。

車両盗難事故事案について、今まで多くを担当してきたが、対応としては調査が終わったら即支払って終わりにするか、疑義があれば最後まで戦うかのどちらかだ。

私の場合は、多少疑義があっても必ず支払う。車両盗難事案は戦わず100%支払う。正義感あふれる若い担当者などは、怪しいとして支払いを滞らせることがよくある。

だが、偽装の盗難の立証は大変困難なもので、多少の疑義ありでは裁判には勝てないことを知っているからだ。

また裁判所は、「被保険者以外の者が被保険者の占有に係る被保険自動車が保険金請求者の主張する所在場所に置かれていたこと」、及び「被保険者以外の者がその場所から被保険自動車を持ち去ったこと」と言う事実から構成されると解されている。

これに対して、被保険自動車の盗難という保険事故が保険契約者、被保険者等の意思に基づいて発生したことは、保険者において免責事由として主張立証しなければならない。

上記の主張立証責任の分配からすると、まずは保険金の請求者側において「被保険者の占有に係る被保険自動車が保険金請求者の主張する所在場所に置かれていたこと」、及び「被保険者以外の者がその場所から持ち去ったこと」について立証しなければならないはずであるが、裁判所は被保険者等の供述のみで外形的事実の存在を認定することがあるため、事実上保険会社において外形的事実の存在を否定する事情(第三者による窃取の実効可能性が低いこと等)を積極的に主張立証することが求められることに留意が必要である。との事で、このような裁判実務を踏まえれば、保険金請求者側の主張立証責任のみに依存した訴訟活動は厳に慎むべきである。

車両盗難事故における保険会社の調査

車両盗難事案においては、そもそも盗難された車両自体を調査時に確認できないため、車両衝突事故と異なり、事後的に車両自体の客観的・物理的な検証を行うことが困難である。

その代わりに、近年の車両は盗難防止装置を搭載していることが多い為、盗難防止装置を解除する技術面での検討を行うことになる。

また契約者、被保険者等が盗難偽装を行った車両を単独で処分することは困難であるため、解体業者、修理工場、ブローカー等のモータービジネス業者が関与していることが多いと思われる。

したがって、車両盗難事故においては、これらの特性を踏まえた上で適切な調査を行う必要がある。

    

訴訟対応の場合 裁判官の心証形成にとって何が重要かを意識する

状況証拠だけでは勝訴判決はとれない。第三者による窃取の実効可能性が低いことを客観的に立証する必要がある。

盗難の外形的事実の有無を判断するにあたり、第三者による窃取の実行可能性の有無を検討、関係者の供述の変遷や不自然さ等の証拠だけでは盗難の外形的事実の存在を否定したものはない。

第三者による窃取の実行可能性の有無の立証が最も重要なポイントである。

保険会社はどのような調査をするのかご案内します。

具体的に、技術面(鍵の有無、盗難防止装置の有無、盗難防止装置機能無効化ツールの有無、痕跡の存否等)及び環境面(駐車場所の物理的形状、立地状況等)において第三者が当該現場から車両を盗難することが困難であることを保険会社が立証できた場合には、盗難の外形的事実の存在が否定された。

第三者による窃取の実行可能性につき技術面及び環境面に分けて裁判官にわかりやすく立証する。

第三者による車両の窃取の態様としては、自走、搬送(レッカー牽引、車両積載)のいずれかが考えられる。したがって、各窃取態様につき第三者による窃取の実行可能性が低いことを技術面及び環境面からわかりやすく立証する。

例えば、具体的に盗難事故の発生場所において、あり得る車両の持ち出し方法をすべて列挙した上で、その実行可能性を一つずつ検証してゆく作業。

自走の可能性については、ドアを開け、エンジンを始動させることのできる鍵の存否、盗難防止装置の有無、その機能無効化ツールの有無の技術的検証が必要となる。

環境面ではどうか。

技術面をクリアしたとしても、さらに駐車場所の物理的形状、立地状況等の環境面での検証も必要となる。窃盗犯が盗難防止装置機能の無効化ツールと有していても、窓ガラスを割ったり、ドアをこじ開けたりして車内に侵入する必要がある。窓ガラスを割った場合には現場にガラス破片等の痕跡が残るはず、ドアをこじ開けた場合にはアラーム等の他の装置の作動により周辺住民が気付く可能性がある。このように環境面での実行可能性について個別具体的に検証する必要がある。

また盗難される前の駐車状況についても可能な限り供述に矛盾がないかを、近隣住民や両隣の駐車車両所有者にも聞き込み調査をする。

搬送の実行可能性については、レッカー車で牽引したことによるタイヤ痕等痕跡の存否等の検証が必要となる。実際に搬送をしていれば目撃者がいてもおかしくない。

その他盗難前後の被保険者等の行動の不自然性に着目等あるが、一番の問題は・・・

経済的利得の有無、被保険者等の属性等との合わせ技を活用する

事故様態に直結しない状況証拠だけで裁判官が偽装事故を認定することはないものの、被保険者の経済的利得の有無、被保険者等の属性、モータービジネス業者への関与の有無、保険契約の締結の状況等も裁判官の心証形成に影響を与える事情であることを意識する。

上記のように経済的利得の存在は裁判官の心証形成にとって大きな効果があるが、逆に否定される場合もある。

例えば、車両保険金が少額であったことにより、経済的利得の存在を積極的に主張できなかった場合などがそれにあたる。

しかしながら、車両取得価格と車両保険金額との乖離などの盗難事案は、経済的利得の存在を積極的に主張立証を行うことが重要である。

モータービジネス業者の関与は有力な状況証拠となり得る

被保険者等が盗難偽装を行った車両を単独で処分することは困難であるため、解体業者、修理工場、ブローカー等のモータービジネス業者が関与していることが多いと思われる。

したがって、被保険者等がモータービジネス業者と関与していることを立証できれば、車両の持ち去りに対する被保険者等の関与を推認させる有効な状況証拠となり得る。

その他、保険契約の状況の不自然さは重要な補強材料となるほか、過去の保険金請求歴なども偽装事故の動機を推測させる重要な事情であるため、裁判官の心証形成におおきな影響を与えていることになる。

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この記事を読んだ人は 偽装事故を許すな! も見ています。