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慰謝料や逸失利益はどこまで払えばよいか

事故半年後被害者が自殺した事案

めったにないケースですが、事案を担当していると思わぬ示談交渉になるときがあります。あまり詳細なことは申し上げられませんが、差し障りのない範囲内で紹介させていただきます。

「滅多にない」と言いましたが、判例雑誌の索引を引いてみると意外に多数の事案が報告されていました。詳しくは調べていませんが、興味深いのは、近年急にこの種のケースが増えているように思われることです。

現在いろいろな交通事故の相談がインターネットで紹介されていますが、このような交通事故被害者の自殺というケースは事例として紹介されていません。

我が国の車社会の発展とともに、必然的にともなう交通事故の増大と言う事が、被害者の自殺と言う問題を浮かびあがらせている第一の原因であることは間違いないとも思いますが、不景気の中、国をあげての自殺予防週間もはじまります。

私が担当した事案は、被害者Aさんは車を運転し、赤信号で止まっていたところを、後方から加害者Bさんに追突をされました。

被害者Aさんは、頚椎捻挫としていわゆるむち打ちの症状があり病院へ通院を余儀なくされました。しかしなかなか症状が改善されず、約半年後自宅にて自らの命を絶ちました。

被害者Aさんは、事故の治療を受けているとき、病院へ高血圧、腎臓病などが発見され、交通事故の治療と並行して内科の治療も受けていました。

被害者Aさんの遺族は、この事故に遭うまでは健康で休みなく働いていたが、事故後、賠償の話が進展しないことに気を病み、そのため自殺したのだから、被害者Aさんの死亡は交通事故が原因である、と言う事を主張してきたものです。

ご承知のように、このようなケースでは、まず第一に、事故と自殺との因果関係が問題となり、因果関係ありとされた場合、次に加害者Bさんに負担させるべき賠償額を大幅に減額させるための理由付けが問題となります。

事故と自殺との間に、いわゆる相当因果関係なしと言う場合は、死亡までの休業損害や慰謝料が賠償の対象になります。これについては、死亡時以降の後遺障害の逸失利益の賠償、例えば死亡前12級相当の後遺障害があった場合、死亡以前の後遺障害による逸失利益や慰謝料の請求ができるか、という問題があります。

死亡後についても後遺障害による逸失利益や慰謝料が認定された事例も見受けられますが、最近多数の事例では慰謝料の算定において考慮されているようです。

相当因果関係が認められるとして、賠償額を減額する理由としては、被害者の意思の自殺への寄与度により割合的な判断を行うものと、過失相殺の法理を類推適当として賠償額を減額するものに大別されますが、最近は後者の理論を理由付けとする判例が主流を占めていると思われます。

これは自殺に対する被害者の事由意思の関与の度合いを考慮して賠償額を減額しようとするものです。

私が担当したこの事案は、相当因果関係はもちろん、事実的因果関係も争っており、近々一応の結果がでればもっと詳しくご報告できるものと思います。

いずれにしても事故と自殺との間に因果関係があり、加害者が賠償責任を負担させられるケースは結構多く、交通事故死の場合の損害の3割ないし5割を認めるものが多くなっています。

それにしても不思議なのは、この被害者Aさんは自殺の日の前日に内科の主治医の診察を、また当日は整形外科医の診察も受けているのですが、両医師とも被害者Aさんの自殺するかもしれないと言うような心当たりは全くなかったと証言しています。

究極的には、人の命を救うのが医師の仕事であるはずなのに、患者の心の状態を読み取ることが全くできなかったと言う医療の現場は、何か本質的なものを忘れてしまっているように思われてなりません。

それと同時に、一般の交通外傷、特にむち打ちに関しては精神的な愁訴の被害者に対応する医師の側に、痛いと言うから治療を続けると言う消極的な姿勢ではなく、こうすれば治るんだと言うような積極的に患者の内面に立ち入るような姿勢がないと、このようなケースは今後ますます増えてゆくのではないかと思います。

患者の精神的なフォローも整形外科医にも求められるとまでは言いませんが、心療内科・精神科へ受診を進めるなどもあってよいと思います。

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