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労災保険と交通事故
慰謝料はどうなるの?

自動車事故の被害者が業務中であったり、通勤途上であった場合には、事故の損害賠償の他、労働基準法の第8章により、使用者から療養給付、休業補償、障害補償、遺族補償または葬祭料などが払われることがあります。そしてこれらの災害補償の実務政府管掌の保険システムで担保しようと言うのが労災保険システムです。労災保険への加入は事業所ぐるみで行われる。そこで働く労働者は誰であろうと、アルバイトやパートの者であろうと、すべて労災保険の適用を受ける。

 

 

    療養給付       

労災病院や労災指定医療機関(現在はほとんどが指定医療機関)で必要な治療を無料で受けられる。

➁ 休業給付

休業4日目から事故前3ヶ月の賃金をベースにして計算した給付基礎日額(平均賃金)の60%が支給される。またそれとは別に特別給付として20%が支給される。これは休業補償とはならないため、被害者としては相手側保険会社からの支払いを含め120%の支払いを受けることができる。

    障害補償給付(後遺障害)

後遺障害についてその程度に応じて1級から7級までの障害を残す者には年金が、8級から14級までの障害を残す者には一時金が支給される。例えば7級については、給付基礎日額の131日分の年金が、10級については302日分の一時金が払われる。

    遺族補償給付

遺族に対して給付基礎日額の365倍の年額の35%から67%までの年金、または1,000日分の一時金が支給される。

    葬祭料・その他傷病が1年6ヶ月を経過しても治らない場合で        1級から3級に該当するときは、休業補償給付にかえて、それぞれの等級に応じた年金が支払われる。

休業補償給付や各年金については、スライド制がとられている。

例えば、年金についてみると、全産業労働者の平均給与が10%を超えて変動した時には改定がされる。

 

 

 

さて、慰謝料はどうか?

 

労災給付には慰謝料はない。したがって被害者の加害者に対する慰謝料請求権にはいくら給付がされても影響がないと一般に考えられている。

財産上の損害を上回る遺族補償給付がなされた場合には、超過分を慰謝料へ填補とみて、加害者に対する損害賠償請求権から控除できるかが問題になったケースで、最高裁はこれを否定した。

 

また加害者・第三者被害者にいくら慰謝料を支払おうと、使用者が労災基準法に基づいて被害者(労働者)に支払うべき労働災害補償の額には影響がないとの判例もある。

もっとも、労災保険等で十分な補償がされたときには、そのことを加害者が負担する慰謝料額算定の斟酌事由としてもよいでしょう。慰謝料というのは補完的役割を持ったものであるからです。

 

すでに支払われた給付年金

休業補償給付、葬祭料、すでに支払われた年金は賠償額から控除される。いずれも損害填補について同一同質であるからです。例えば遺族補償年金をみてもそれが被害者の稼働の下で生計を立てていた家族の生活を守るためのものであり、死者の逸失利益の賠償請求と同一同質の損害の填補を目的としていると言えるし既払い分の限度で賠償請求権は減縮すると考えられるからです。

 

 

将来分はどうか?

 

 

 

 

将来分はどうであろうか。将来の給付予定額の現価を控除できるとすると、加害者の負担は軽くなる。そうすると、被害者に逸失利益があるケースなどでは加害者の負担はなくなるということもありうる。

控除説をとる見解もあり、かつてはその趣旨の判例も少なくなかった。一時金として遺族年金を取得する者と、年金として取得する者との間に不公平が生じること、年金の現在価額を控除することは衡平な感じがすること等が理由とされている。

最高裁は非控除説をとることを宣明し、論争に一応のピリオドがうたれた。

 

事件は、自動車販売会社の社員Aが自動車を整備中であったところ、購入希望者客のBがその運転席に入りエンジンを始動させ暴走させたためAが傷害を負ったというもので、Aには7級10号の後遺障害が残った。Bに対して損害賠償請求をしたところ、Bから過失相殺の主張とともに、労災保険、厚生年金による給付で将来とも損害が補償されることが確実であるので填補されていると言うべきであると言う主張がなされた。

最高裁は、損害賠償と社会保険は相互補完の関係にあり同一事由による損害の二重填補を認めるものではないが、いまだ現実の給付がない以上、国には被害者の加害者に対する損害賠償請求権が移転するわけでもないのであるから、将来分を控除することを要しないとしたのである。

労災保険、厚生年金等の実務上の取り扱いを見ると、被害者として一括賠償を望んで賠償請求をしているのであるから、その意思を尊重するのは当然であり、第三者が先に賠償をしたときには政府はその限度で保険給付が先行した時は加害者への代償請求を行うというのが本来の姿であろう。

労災保険、厚生年金等のまず損害賠償が先行したばあい、保険給付は労災で3年、厚生年金で2年を最高限度として調整が行われるにとどまり、それ以上は被害者に重複填補が事実上行われている。

保険給付が先行した場合、政府から加害者への代位請求は労災では3年で打ち切りとされていて、厚生年金では事実上そのようである。

この実務を前提とする限り、控除説をとると加害者は事実上利益を受ける結果となり、非控除説をとると被害者に重複填補が行われことになる。ポリシーとしてどちらが妥当かという選択であるが、最高裁は後者を選択したのである。

建前としては加害者が先に賠償したとき政府はその限度で保険給付をしない。政府の保険給付が先行したときは加害者の代位請求をおこなうと言うことなのである。将来はそのような方法での処理がなされることも考えられる。