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むちうち症の否定事例

私たち損保担当者として交通事故の被害者と交渉を行うとき、被害者に現実に傷害が発生していないと思われるにもかかわらず、傷害を受けたとして損害賠償の請求を受けると言ったケースは枚挙に遑がありません。

特にいわゆるむち打ち損傷の場合は、被害者に他覚的症状が乏しくても被害者の主訴が診断の決め手となって、医師が簡単にむち打ち損傷の診断書を発行しがちです。

そのため、被害者が実際に傷害を受けていなくても、その診断書を盾に慰謝料を含め賠償請求を受けるケースがきわめて多いのが実際です。

ところで、次のようなケースの場合は、仮に医師の診断書が発行されていても、むち打ち損傷の発生について疑ってみることが必要です。

 

 

    被追突車に加速移動がない場合

 

一般的にむち打ち損傷と呼ばれる傷害は、後方より追突された場合、前方で衝突した場合、自動車の側面に衝突された場合のいずれかの場合にも起こりうるとされていますが、発生率の最も高いのは、後方より追突された場合です。

後方から追突された場合、被追突車は急激に加速前進しますから、座席に密着した乗員の体幹も車両とともに加速移動します。その際頚部は慣性の法則にしたがって制止するため、車両の移動方向とは逆の方向に上体が倒れて、頚部は後方へ弓なりにそります(伸展)。

この時筋肉はなんの準備もできず、無防備の状態にあり、頚部は正常の運動範囲を超えて後方へ伸展します。(過伸展)

そのあと反動で頚部が前方へ屈曲します。

むち打ち損傷は、右のように発生しますから、被追突車が追突されたとしても、前方に加速移動しなければ、その車両の乗員には何の外力も加わらないことになります。

被追突車が停止したままであるにもかかわらず、乗員の上体だけが激しくゆれ動いて、頚部にむち打ち運動が生ずるなどないと言ったことは、物理的にも考えられないからです。

また被追突車が移動しても、その移動距離がわずかな場合も、頚部が正常の運動範囲を超えて後方へ伸展するなどと言ったことは考えられません。

頚部が正常の運動範囲を超えて、後方へ伸展するためには、被追突車が一定の距離以上に加速移動することが絶対に必要です。判例では、「事故車が大型バスに追突した際、その衝撃でバスを移動させるには至らなかった。バスが移動しない限り運転者の上体姿勢に変化を与えることはできず、運転者に傷害を与えることはないと認められる」(京都地裁)

と判示して、「車が動かなければ外傷なし」の原則を明確にしています。その他同種の判例が数多くあります。  

 

 

 

 

 

 ②   車両の破損の程度

 

 

車両の破損の程度がバンパーの擦過痕、バンパーの凹損程度にすぎない軽微な物損の場合も、むち打ち損傷の発生を疑うまでもありません。

物損が軽微であるということは、外力の程度が軽微であったことに他なりません。

判例には、「損傷なし」「バンパーの擦過痕」だけでバンパーに凹損がないケース、バンパーの凹損だけで車体に変形のないケースなどいずれもむち打ち損傷の発生を否定しているものがあります。

尚 物損の状況は、衝突時の外力の方向や程度を知りうる客観的な証拠になるものですから、写真などによるその確保はきわめて重要です。

修理などされる前に必ず被追突車の写真撮影をすることを失念しないでほしいと思います。

 

 

 

 

 

 

   衝突速度

 

被追突車乗員にむち打ち損傷が生ずるか否かを検討するためには、その交通事故の衝撃の程度を知る必要がありますが、そのためには衝突速度を知る必要があります。

物損の程度から衝突速度を知ることもできますが、当事者間に争いがあるときは、鑑定などによることになります。文献によれば、車両重量が近似している場合、時速15Km以下の追突では、ヘッドレストがなくてもむち打ち損傷は生じない。

時速16Kmで追突されると、乗員の頭部の動きは69度に傾き、人間の頭部は後方へ61度しか曲がらないのでむち打ち損傷が発生するなどの見解もあります。

広島地裁では、「追突車両の時速が10Km程度では、頭部後傾度は15度でむち打ち損傷の危険はなく、11ないし15Kmでその可能性は薄く、16Kmで頭部後傾度69度となってむち打ち損傷の発生の可能性が生じること」を前提とし、事故車の速度は時速10Kmをかなり下回る程度であったと推測し、むち打ち損傷の発生を否定しています。 

 

以上被追突車に加速移動がない場合、物損の程度が軽微な場合、衝突速度が低速度の場合、むち打ち損傷の発生について疑いを持つべきことを述べましたが、訴訟においてはその他に被害者の虚言的傾向が顕著で、被害者の主張自体を信用できないこと、被害者が過去にも同種被害を受けて相応の賠償金を取得していること、被害者の付保状況が不自然であること(事故発生前に多数の保険に加入していること、生活程度に比べて多額の保険料を支払っていることなど)いくつかの間接的な事実を立証してむち打ち損傷の発生を否定してゆくのが一般的です。

医師の診断書のみを鵜吞みにして不当な賠償金を支払わさせることのないよう普段から心がけてゆきたいものです。